八咫烏(やたがらす)

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『読むことは生きること』 柳田邦男(著)

『生きるとは自分の物語をつくること』 河合隼雄(著)

つまりは、読むことは自分の物語をつくること
三段論法的に字面だけを追えばこうなるのでしょうか。


柳田邦男さんの生業は書くことですから、それと深く結びついている読むことは、生きることに等しいくらいの大事な営みだったと言えます。


この本の中の一節「コンステレーションの視座」には、ユング心理学を広めた河合隼雄氏のものの見方について以下のように書かれています。


「夜空の星をボーツと見上げているといくつかの星が繋がって北斗七星などの星座が見えてくる。因果関係を問い詰める線型の考え方から離れて星座を見出すように、ともかくそこに星座に相当するひとつの全体が出来上がっていることを認める」、というものの見方がコンステレーションの発想法だといいます。


突然、人を襲う不幸な出来事、例えば愛する人の死や、自身の病気や事故、災害など理不尽な出来事に対し、人はその意味をどうしても追求するものです。
重大事ばかりでなく、人の小さな日常の行動も意識するしないにかかわらず、何らかの意味付けをして生きているものだと思うのです。


一つひとつのバラバラな星々から星座が浮かび上がるように、
一見無関係としか思えない数々の事象の全体を眺めたときに、意味のあるひとつの世界が感じられれば、人はそこから物語を紡ぎだしていくものなのでしょう。
どのような困難なこともその物語ができれば再び人生を肯定できるようになるのかもしれません。



人は何のために本をよむのでしょうか。
ある人は、本に深遠なる人生の答えを求めて。
ある人は、本は親友のような存在で、慰められたり、勇気を与えられたり、共感したりすると。
またある人は、作者や登場人物との対話や世界のつながりを感じられると。
その他にも、知識を得る、疑似体験をする、娯楽として楽しむなど様々な理由があるでしょう。

管理人は上に挙げた理由も当てはまりますが、何かの手段としての読書というより、もう少し自身の生と深いところで結びついている行為のように感じています。


理由は個々人で異なっていても、一冊の本をシェアするコミュニティでは、ひとりで読んでいるのとはまた違う、驚き、気づき、共感など得られるかもしれません。
複眼的、重層的な視点が加わって、各人の心の世界に厚みや深み、広がりをもたらしてくれるものと期待します。



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