八咫烏(やたがらす)

本のフォーラム

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  • 『敦煌』井上靖(著)
    20Cになって中国の敦煌の莫高窟から大量の歴史遺産が発掘されたという史実を念頭においたそれよりはるか以前の時代の壮大な歴史ロマン小説です。
    主人公の様々な困難に遭遇しながらも、いつも何とか無事に通過している運命的な境遇が、ずっと後になって、自身の生とも相通ずるところがあると感じ、読んだ直後とは違う視点がうまれました。
    また、魅力的な登場人物に魅せられて物語内にぐっと引き込まれました。 -- なつめぐ 2022-12-11 (日) 12:00:10
  • 『ライオンのおやつ』小川糸(著)
    瀬戸内海のとある島のホスピスで残りの日々を過ごす主人公の雫(しずく)と周囲の人たちの悲しくも暖かいお話し。
    読み進めるうちにじわーっと幸せ感がにじみ出てくるようでした。
    五感のすべてに訴えてくることばの可能性には驚きます。
    雫の来る日に合わせて作ったお菓子には”人生の醍醐味を味わってください”と書かれたメモが置かれています。
    醍醐とは、五味の一つで牛乳を加工した濃厚な味わいとほのかな甘味を持った液汁で最も美味しいものの代名詞で使われたそうです。
    ”ありのままに”とか”ていねい”に生きることをあらためて思い直した一冊でした。 -- なつめぐ 2022-12-11 (日) 20:33:29
  • 『旅をする木』星野道夫(著)
    極寒のアラスカに移り住み、悠久の時の中で変化する自然や、その地で生きる動物たちを写真で捉え続けた星野道夫さんのエッセイ集です。
    荒々しくて美しい自然の中で暮らす著者の日常は、生と死が隣り合わせ、または混在しているようで、そこに身を置かなければ絶対わからないことの数々を軽妙な筆致で物語ります。
    そんな中で多くの友人を失い、その度にどれほどの悲しみを味わったのでしょう。
    そして彼も最期はクマに襲われて命をおとしてしまいます。
    勿論、残念なことに違いありませんが、素晴らしい写真やエッセイを後世に遺し、それを読んだ私たちは、胸を詰まらせながらも彼の一生は幸せに満ちでいたと確信するのではないでしょうか。 -- M、なつめぐ 2023-01-19 (木) 14:27:03
  • 『草の花』福永武彦(著)
    この小説はサナトリウムでの療養生活を余儀なくされている、ひとりの知的な青年の手記で大部分が占められています。
    18歳の愛する自分、24歳の求める自分を書くことで、もう一度その中に生きようと思った、青年は言います。
    情感豊かな美しい文章の中に人間の本質が問われているようで、読み終わった後は、喜怒哀楽の様々な感情や疑問が沸き起こります。
    青年の一面が著者の分身のように思えて、著者のことが知りたくなり、他の作品も読んでいます。
    これぞ読書の醍醐味と思われることの一つ、今いる人かいない人か、さらには実在人かそうでないかなどに関係なく、魅力的な人との出会いがあり、現実の寂しさを和らげてくれている気がするのです。
    -- M、なつめぐ 2023-01-19 (木) 14:52:37

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